「漫画ゴラク」は全くチェックしてないので知らなかったのですが、『カレチ』の池田邦彦さんがいつの間にか『でんしゃ通り一丁目』と『おもいで停留所』という新作を出していたんですね。アマゾンのオススメに上がっていたのでさっそく買いましたが、いやはや、素晴らしい作品でした。
『でんしゃ通り1丁目』は、昭和30年代中盤の都電を舞台としたほのぼの日常マンガ。車掌を務めるマサヨシと、福島から上京したノン子ちゃんの恋愛模様が何ともほっこりします。
あまりシリアスな展開はないですが、2巻収録の第26話「いちばんの理由」という話は印象に残りました。都電のプラモデルがサッパリ売れないことに困っていた社長さんに、ノン子ちゃんが「戦争玩具反対」を叫ぶ婦人団体の人を紹介します。婦人たちは都電のプラモデルを絶賛し、教育委員会に推薦するとまで言うのですが、社長さんは浮かない顔。婦人たちが「兵器のおもちゃを子供に与えるのは正気の沙汰じゃない。私たちはそういう好ましくないおもちゃを議員や業界団体と協力して不買運動をしている」と主張するのに腹を立て、婦人たちを追い返してしまいます。そして、ノン子にこう言うのです。
「ワシのために骨を折ってくれたのに あんたには申し訳ない事をしたね だがどうしてもガマンならなかった 男の子はいつの時代も…… 勇ましくてかっこいい乗り物が大好きだ しかしな……戦争が起きたのは男の子が戦車や戦艦が好きだったからか? そうじゃないだろう 戦争が起きたいちばんの理由は…… ああいう考え方じゃないのか 自分たちばかりが正しくて気に入らないものは押しつぶそうとする…… ああいう考え方が戦争を引き起こしたんじゃないか 大人がそれを反省もせず自分の考えを子どもたちに押し付けようとするなんてどうしてもガマンならん」
ぐうの音も出ないほどの正論ですね。このエピソードだけはみんなにオススメしたいです。
もう一方の『おもいで停留所』は、さらに時を遡って昭和25〜27年の茨城県北部が舞台です。常磐中央交通という架空のバス会社に務める17歳のバスガール「沢田麻紀」が主人公。こちらは、終戦からまだ日が浅いこともあって、ほとんどのエピソードが戦争がらみでシリアスな展開となっています。
終戦直後に闇市でひと稼ぎするため上京するも逮捕されて服役した先輩、撃墜したB29の搭乗員を刺し殺した過去を持つ喫茶店のマスター、華族制度の廃止で没落した名家のお嬢様、潜水艦の沈没で息子を失った母親、特高警察に閲覧記録を提出してしまった図書館の館長、広島駅で荷役係をしていて被爆した元駅員など、戦争で様々な傷を負った人々が登場し、一筋縄ではいかない人間模様が描かれます。
仕事帰りの電車の中で一気に読みましたが、非常によい話ばかりでした。最終回では、目に涙が浮かんでしまいました。「反戦」を前面に押し出した作品よりも、ずっと強く戦争の不条理さを訴えかけていると思いましたね。こういう描写を、嫌らしさや偏りなしで描ける作者の力量は大したものです。もっと評価されるべきと強く感じますが、掲載誌が漫画ゴラクというマイナーさや、単行本の部数の少なさが実に残念なところです。こんな作品こそ実写向きと思うのですが、こういうところに日本の映画業界人の目は届かないんでしょうねきっと。
池田先生は、モーニング誌上で『甲組の徹』という戦時中のSL機関士の話を不定期掲載中ですが、そちらも是非定期連載化してほしいものです。単行本が出るのを首を長くして待ってます。
1.朝食無料なら、喜んで早朝出勤 する
しない
2.ニラに混じったスイセンを見分ける自信 ある
ない
3.大山のぶ代が会話も困難なほどの認知症と聞いて ショックだ
ショックでない
4.サンリオのキャラに暴言を吐く人の心理が 分かる
分からない
5.そもそも論として、緊急車両スペースに政党の宣伝カーを停めるのは OK
NG
6.大阪都構想の住民投票の行方を とても気にしてた
あまり気にしてなかった
7.中3で九九ができない子がいるのは、教育格差のせいだと 思う
思わない
8.休日にニコ動を見始めると、止まらなく なる
ならない
今週は以上です。
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posted by atsu at 00:00| 東京 ☀|
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