立川反戦ビラ配布 市民運動3人に逆転有罪(東京新聞)
自衛隊イラク派遣反対のビラを配るため、東京都立川市の防衛庁宿舎に無断で立ち入ったとして住居侵入罪に問われ、東京地裁八王子支部で無罪判決(求刑懲役六月)を受けた市民団体のメンバー大洞俊之(48)、高田幸美(32)、大西章寛(32)の三被告に対する控訴審判決が九日、東京高裁であった。中川武隆裁判長は「ビラによる政治的意見の表明が言論の自由で保障されるとしても、宿舎の管理権者の意思に反して立ち入ることはできない」と述べ、一審の無罪判決を破棄し、大洞、高田両被告に二十万円、大西被告に十万円の罰金刑を言い渡した。三被告は判決を不服として上告した。
中川裁判長は、宿舎に関係者以外立ち入り禁止の表示がありながら、三被告がビラの投かんを繰り返したと指摘。
「被害の程度が軽微だったとはいえず、罰することができる違法性がないとはいえない。表現の自由が尊重されても、他人の権利を侵害して良いことにはならない」と述べた。
一審判決は「立ち入り行為は住居侵入罪の行為に該当するが、刑事罰に処するほどの違法性は認められない。ビラ投かんは憲法の保障する政治的表現活動」として、三被告に無罪を言い渡した。
検察側は控訴審で「居住者はビラで不安感や不快感を抱いていた。思想を外部に発表する手段でも、他人の権利を害することは許されない」と主張した。弁護側は「三人の起訴は公訴権の乱用」と無罪を求めた。
判決によると、三被告は昨年一月、自衛隊宿舎の敷地に入り、各戸の新聞受けにビラを投かんした。大洞、高田両被告は同年二月にも投かんした。
立川のビラ配布事件以降、警視庁管内では少なくとも六人が、政治的なビラを配布して住居侵入容疑などで逮捕されている。
結論から言おう。今回の判決、妥当である。裁判長の言った「ビラによる政治的意見の表明が言論の自由で保障されるとしても、宿舎の管理権者の意思に反して立ち入ることはできない」という言葉に、その理由の全てが集約されている。
この裁判の一審判決の際、私は彼らに多少同情し「言論弾圧はナンセンス」というエントリを書いた。しかし、今ではこれを後悔している。やはり、身勝手なサヨク市民団体などを擁護するべきではなかった。
一時は理解を示した私の考えがなぜ変わったかというと、その原因は彼らの態度にある。あの無罪判決のあと、彼らはそれをいいことに助長した。あちこちの学校やマンション、区役所などの敷地内でビラを配っては逮捕される事件が相次いだが、それはまるで「私たちにはビラを配る権利がある! あなたたちは黙って受け取らなければならないのよ!」と言っているようにしか思えなかった。性懲りもなく敷地内に侵入しては逮捕されることを繰り返すところを見るにつれても、「コイツラ、自分たちが被弾圧者だとアピールするためにわざとやってないか?」と疑わしくなり、ほとほと嫌気が差したのである。
イラクへの自衛隊派遣に反対するのは結構だ。かく言う私だって、アメリカへの義理立てはもういいだろうと思っている一人である。しかし、目的のためなら手段を選ばないというのは賛成できない。ビラを配りたいのならば、ちゃんと道路使用許可を取って路上でやるべきである。それなのに逮捕されるようなことがあれば、そのときは私も抗議の声を上げるだろう。しかし、彼らのやり方は常軌を逸している。どうして、ビラを撒かれるのを嫌がる自衛隊員の官舎まで押しかけてしまうのかが理解に苦しむ。
それが言論の自由だから許されると言うのならば、それでは彼らの家に執拗に「自衛隊派遣賛成! 日の丸・君が代の徹底賛成! 憲法改正賛成! 女系天皇反対!」などのビラを撒いたら受け入れてもらえるのだろうか。「言論の自由」を声高に叫んでいるのだから受け入れるのが筋というものだろうが、そこは受け入れないのが彼らのクオリティである。気に入らない意見を排除するのは、どちらかと言うと彼らのことではないかと思う。
まあ、彼らが無罪だろうが有罪だろうが私にはたいして関心がない。即刻上告したそうだが、せいぜい最高裁まで頑張ってみればいいと思う。そこで最終的な審判が下ると思うから、そのときはその判決を粛々と受け入れるように(敗訴したときはどうせ、「不当判決だ。この国の司法は死んでいる!」とか言って騒ぐんだろうケドな)。
関連エントリ
ビラの配り方を考えてみよう
すごく面白い視点からこのニュースを捉えているブログがあったので紹介しときます。
こっそりとおひっこし より「裁判」
そうですね、何事にも節度が必要です。
しかし、今回の被告たちにはそれが一切見当たりません。
自分の権利ばかりを振りかざし、周囲に対する配慮がないのでは一般人には理解されないと思いますよね。