痴漢賠償請求訴訟:不起訴男性と被害申告女性、異例の意見陳述−−最高裁で弁論(毎日)
◇車内通話を注意、痴漢にされた/自分が悪いのに、訴えるなんて
JR中央線の電車内で99年に痴漢をしたとして逮捕され、不起訴となった東京都国立市の沖田光男さん(66)が、被害申告した当時大学生の女性に1135万円余の賠償を求めた訴訟の上告審弁論が29日、最高裁第2小法廷(津野修裁判長)であり、結審した。弁論は代理人が主張を展開するのが通例だが、この日は沖田さんと女性がそれぞれ異例の意見陳述をした。
沖田さんは「携帯電話で話しているのを注意したら、うその被害申告をされ、人生を狂わされた。1、2審の誤った判決を破棄し、納得のいく裁判を願う」と述べた。これに対し女性は「自分が悪いのに私を訴えてきて、苦しい思いをしてきた。つらく、気が休まることはなかった。痴漢したのはこの人に間違いない」と訴えた。
1、2審は沖田さんの痴漢行為を認め、女性に対する請求を棄却したが、弁論が開かれたことで結論が見直される見通し。判決は11月7日。【北村和巳】
この裁判は以前から注目してましたが、すごく興味深い展開になってきましたね。少なくとも、痴漢の被疑者とされた男性と被害者とされる女性がここまで激しく論戦する裁判は見たことがありません。双方譲らずといったところですが、かなり男性側の有利になりつつあるようです。
どちらが正しいのか、私には断定できません。だけど、汚名を雪ぎたい男性の気持ちは痛いほど分かります。思うに、こんな裁判を起こしている時点で、男性はかなりシロなのだと思いますね。現に検察は起訴できなかったわけですし、彼が痴漢である証拠は何もありません。それに、本物の痴漢だったら不起訴になっただけでシメシメだと思うんですよ。わざわざ裁判まで起こすような面倒事はしないと思います。
本当に女性がでっち上げたのならば万死に値する罪だと思いますが、この件で検察はいい働きをしましたよね。本来なら、こういう場合は女性の証言だけを全ての証拠として、とんとん拍子に起訴→有罪という流れになりかねません。何が何でも有罪にしてやるという誤った執念を見せず、素直に嫌疑不十分としたことは評価できるでしょう。
さあ、裁判長がどういう判決を下すか、11月7日が楽しみですね。こういうエキサイティングな裁判は、できるものなら一度傍聴してみたいなぁ。