「としまえん」遊具から15歳少年転落 フライングカーペット、数メートル下に(産経)
7日午後1時45分ごろ、東京都練馬区春日町の遊園地「としまえん」で、アトラクションの「フライングカーペット」に乗っていた埼玉県所沢市の特別支援学校高等部1年の男子生徒が数メートル下に転落した。警視庁練馬署によると、生徒は頭部や胸を強く打ったが、意識はあり命に別状はないという。
同署やとしまえんのホームページによると、フライングカーペットは「空飛ぶじゅうたん」をイメージしたアトラクションで定員40人。地上12メートルの高さまで上がり、急降下する仕組みになっている。落下防止のため、アトラクションには金属製のバーが取り付けられているという。
同署の調べでは、落下した男子生徒はアトラクションが動き出した直後に立ち上がり、転落した。事故当時、アトラクションには同校の教諭や生徒の計9人が乗っていた。この日は同校の遠足で教諭15人、生徒29人の計44人が来園していた。
としまえんのフライングカーペットをめぐっては、平成4年、試運転をしていた男性作業員が遊具と床の間に挟まれて死亡する事故が起きている。
うーん、これは難しい事故ですねえ。遊園地で起こった事故だから遊園地の責任にされそうですが、それだけではないと思います。
埼玉県立所沢特別支援学校のホームページによると、この学校は知的障害児専門のようです。知的障害児の中には多動性障害の子もいるでしょうし、ちょっとしたことでパニックを起こす子も多いでしょうから、そういう子を絶叫系の遊具に乗せるのは危険ですね。よく分からずに乗せられたものの、動き始めてから怖くなって逃げようとして足を安全バーから抜いた可能性もあります。
簡単に足を抜くことができるのも安全上問題があるかもしれませんが、通常は抜こうとしなければ抜けないようになっているはずです。むしろ、絶対に抜けないような構造にしてしまうと、緊急時に脱出が困難になる可能性もありますから難しいですよね。遊園地側にとっても、動いている最中に自ら足を抜くという行為は想定外ではないでしょうか。
それに何より、遊園地側にしてみれば、知的障害児が乗りに来た場合でも、断ることができないという事情があります。足が不自由な人などの身体障害者の場合は断れるでしょうが、身体には特別の障害がない軽度〜中度の知的障害児だったら、断ると後がうるさそうです。絶対に、差別だなんだと騒ぐ人たちが出てきますからね。しかしこういう事故が起きてしまった以上は、予想外の行動をする可能性がある知的障害児を断る遊園地も出てくるかもしれません。
私の心情としては、今回の事故の過失割合は遊園地が2、引率していた教諭が8だと思います。教諭はいちおうその道のプロなんだから、この遊具に乗せても大丈夫かどうかをもっと考えるべきでしたね。あの手の遊具って、嫌いな人は本当に嫌いなんですから(私もそのひとり)。
まあでも、数メートルの高さから落ちたのに命に別状がなかったことは不幸中の幸いだったと思います。後遺症などが残らないことを祈りたいですね。
【関連する記事】