2005年01月15日

漫画キャラの喫煙率

 私は大の嫌煙家だが、今回厚生労働省が実施した「少年漫画における喫煙シーンの頻度調査」には首をかしげる。漫画や映画、ドラマにタバコが登場するからといって、それをすぐに未成年者の喫煙と結びつけて考えようとするその主旨には賛成できない。

 今回の調査は「週刊少年ジャンプ」「週刊少年マガジン」「週刊少年サンデー」「コミックボンボン」「コロコロコミック」の5誌で、過去5年間にさかのぼって行ったらしい。その結果、ページ換算で全体の0.38%、喫煙シーンの描写が1カ所以上ある作品中では平均6.4%のページにタバコ描写が見られたそうである。

 ウェブ上にまともなソースがないので詳細も書くが、喫煙シーンが多いのは次の通りだった。

1.「週刊少年マガジン」…ページ換算0.75%
2.「週刊少年ジャンプ」…ページ換算0.37%
3.「週刊少年サンデー」…ページ換算0.30%
4.「コミックボンボン」…ページ換算0.04%
5.「コロコロコミック」…ページ換算0.02%

 読者の年齢層が低い「コロコロ」と「ボンボン」は外して考えてもよいだろう。「コロコロ」における喫煙シーンと言われても、のび太のパパが吸ってるところくらいしか思い浮かばない。それ以前に、この2誌を読まなくなって干支一回り以上の時間が経過しているので、最近はどうなっているのかも知らない。

 「マガジン」にもっとも喫煙シーンが多いというのは予想通りの展開だろう。今は「マガジン」で読んでいるマンガが一個もないのだが、昔からヤンキー漫画とギャンブル漫画が多かった。そりゃあタバコも多く登場するに決まっている。

 「ジャンプ」は恥ずかしながら未だに購読しているのだが、昔に比べるとこの漫画誌における自主規制はどんどん酷くなっている。タバコの話ではないが、エロ描写においても以前はオッパイくらい普通に描かれていた。小学校高学年から中学校くらいの頃は桂正和作品などドキドキしながら読んだものだが、最近では乳首を描くことはご法度となったようである。『シティハンター』の第一巻では美女が全裸で登場するシーンがあるが、最近の版を見ると黒いビキニが書き足されてしまっている。あ〜もう、嫌な時代になったなって感じだ。
 閑話休題。話をタバコに戻そう。ジャンプにおける喫煙シーンといえば、すぐにイメージするのは『ONE PIECE』のサンジか。このキャラはくわえタバコがトレードマークだし、初登場時から紫煙をくゆらせていた。まあ、最近のジャンプキャラではもっともタバコが似合うキャラだろう。
 連載は終了したが『ヒカルの碁』も喫煙シーンは多かった。もちろん主人公やその友人らは吸わないが、碁会所のシーンはヤニだらけ。でも、三谷がおっさんにやり込められるシーンなど、タバコが効果的な演出に一役買っていた。子供たちに囲碁を普及させることに貢献した作品だから、そんなところに茶々を入れる人もいなかったけれど。
 『こち亀』は、タバコを排除することについては先見の明があった作品だ。連載当初は両さんも部長もタバコを吸っていた(第10巻の表紙にはタバコを吸いながら競馬をする両津が描かれている)が、第34巻3話「煙はEなもの!?の巻」以来禁煙している。雑誌掲載は昭和59年で、もう20年も前のことになってしまった。この回では作者の秋本治自らが作中に出演し「今後一切この漫画にタバコを出さない」と宣言している。秋本自身が恐らく相当な嫌煙派なのだろう。その言葉通り、それ以降はこち亀にタバコは出てきていない(と思われる、たぶん)。

 「サンデー」は『MAJOR』しか読んでいないから分からない。でも、あまりタバコが出てきそうなイメージはないなと思う。

 で、ここで無視されちゃってカワイソウなのが「週刊少年チャンピオン」である。少年漫画四大誌のひとつなのに、調査の対象から外すなんてヒドイ。ま、4誌の中でエロ路線ももっとも強く、少年漫画から逸脱しつつある漫画誌であるのは間違いないんだけれど。
 でも、その「チャンピオン」はタバコ描写多いよ。特に『浦安鉄筋家族』は筋金入り。主人公の父親のヘビスモーカーっぷりは半端でない。1日平均19箱消費、ときにはカートンごと火を付けて吸うこともあるような強者である。彼とその友人数人が集まれば、わずか数分で吸殻の富士山が築かれるほどである。恐らく、彼が出演する回ではページあたりのタバコ登場本数はダントツ日本一だろう。もしかしたら、この作品だけでマガジンを凌駕するかもしれなかった。なぜ調査対象から外したんだよまったくもう!

 ま、いろいろ書いてきましたけど、言いたいことはただひとつ。青少年の健全育成と、漫画などの影響を簡単に結びつけるなってこと。タバコ吸う人は、別に漫画なんか読まなくたって吸うわけよ。逆に私なんかは、いくらタバコが出てる漫画をたくさん読んでも吸わなかったわけよ。だから、こんなことにいちいち目くじら立てるほうが間違っている。

 少年漫画ではないけれど、次元大介からタバコを取ったらもう次元じゃないわけでしょ。タバコだってそのキャラクターのアイデンティティとして機能することもある。何でもかんでも、排除すればそれでいいってことではないのよ。

一部漫画で喫煙描写6% 厚労省研究班「影響心配」(共同通信)
posted by atsu at 17:39| 東京 雨| Comment(2) | TrackBack(3) | ニュース−社会 その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
チャンピオンって今はエロいんですか。なんだか相方の少年時代は名作漫画が目白押しだったらしいんですが…

で私もタバコ嫌いですが、こういうのって大谷某の犯人像「アキバオタへの偏見」みたいで、カテゴライズが簡単すぎますよね。
次元はたばこなくっちゃ次元じゃない。ルパンも。
で、吸わない五右衛門との差が出てくるわけですしね。
ホームズは(漫画じゃないけど)パイプ吸わなきゃホームズじゃない(ついでにコカインも)!でもホームズを読んでコカインするやつぁたぶんいない!

こうゆうの(子供が真似する)って、ドリフの時代からあって、たしかに私たちはドリフの真似しましたけど、だからって本気で悪い事をしようなんざ思ったことありませんよ。なんで「影響されて喫煙する(やつがいたとして)」ごくごく一部にレベルを合わせなくちゃいけないんでしょうね?なぞです。
Posted by ぶんだば at 2005年01月16日 01:17
パイプ吸わないホームズってのは想像できませんね。

まあ性犯罪が増えるとエロ本やAVもときどきこういう矢面に立たされますけど、それらを見て実際に事に走るのはごく一部の人間なんですよ。
99.999%の男は、それを見ることによって無駄な性欲を処理しているわけで、性欲が発散されることはあっても昂ることはないです。

そういうものを規制することは、男の欲望を生身の肉体へ向けることになると思います。
小児性愛は確かに変な性癖でしょうが、大半はそういう漫画などを見て満足しているだけだと思いますがね…。
Posted by atsu at 2005年01月16日 18:25
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