東西国境ゲームに批判=ネット公開延期―ドイツ(時事)
【ベルリン時事】冷戦真っただ中の東西ドイツ国境を舞台に、西独への脱出を目指す東独市民と、摘発に当たる同国国境警備兵の駆け引きをテーマにしたオンラインゲームをドイツの学生が開発したところ、「不謹慎」と非難を浴び、公開延期に追い込まれた。
このゲームは、東西ドイツの国境の長さをタイトルにした「1378キロ」。プレーヤーは市民と兵士のいずれかを選択。市民は西独を目指し、兵士は時に発砲して阻止する。カールスルーエ造形大学に通うイエンス・シュトーバー氏(23)が開発し、ドイツ統一20年に当たる3日に公開の予定だった。
これに対し、西独に逃亡しようとして犠牲になった東独市民の遺族が反発。旧東ベルリンにある東独秘密警察(シュタージ)の政治犯収容所跡地、ホーエンシェーンハウゼン記念館のクナーベ館長は「開発前に遺族と話し合うべきだった」と批判した。
シュトーバー氏は反発の高まりを受け、公開を延期。「若い世代に現代史に触れてもらうのが狙いだったが、遺族を傷つける結果になり残念」との声明を発表した。
うんまあゲームのコンセプトとしてはね、アリだと思います。脱出を図る市民と、それを阻止せんとする兵士。多人数参加のMMOゲームとしてもじゅうぶん成立するだろうし、けっこう面白そう。だけど、設定がちょっとリアル過ぎるのがまずいですね。
設定はそのままでも、国の名前とか都市の名前を架空にするだけで、ここまでの批判を食らうことはないと思いました。中には「ベルリンの壁を想起させる」と言ってくる人もいるでしょうが、ゲームの世界がベルリンじゃなければ「ベルリンの壁をモチーフにはしているが、ゲーム内の国家はチョメチョメ社会主義共和国で東ドイツではない」と言えばいちおうはOKです。さらに言えば世界観も近未来風にしたりファンタジー風にすれば、全く文句のつけようがないものになったでしょう。
今は第二次大戦が舞台となっているゲームもぼちぼち出てきてるけど、それに比べるとベルリンの壁はちょっと最近の出来事すぎるんですよね。わずか20年前まで存在してたわけですからね。家族をあそこで殺された人もまだまだたくさんいるでしょうし、その傷はまだ癒えてないでしょう。あと50年くらい経てば出せるかもしれませんが、まだ時期尚早でしたね。
でもあれですよ。画像見ましたけど、23歳の大学生が独力で開発したゲームとしてはクオリティ高そうでした。これにめげず、面白いゲームをこれからも創って欲しいですね。