「南セントレア」の後だからまともに聞こえてしまうのが何とも奇妙だが、やはり「南アルプス」が悪しき前例になったことは否めない。今回は住民アンケートの第3位にノミネートされていたそうだから住民無視とは言えないが、地元住民にもこんな名前を歓迎する人たちがいると思うとウンザリしてくる。
住民投票の1位は、現市名である「駒ケ根」だったそうだが、そのまま名前を引き継ぐことはできないのだろうか。「駒ケ根」自体も1954年に市制施行したときに付けられた比較的新しい地名だと記憶しているが、「中央アルプス」よりはいい名前だと思うのだが…。
とにかく、私は声を大にして言いたい。
これ以上、ひらがなやカタカナの市町村名を増やすな。
と。元来、かな地名は「いわき」「つくば」「むつ」「ニセコ」「マキノ」くらいしかなかったはずだ。これらの地名はある意味での先駆者なので、物珍しさも手伝って許容できる範囲ではあったけれど、こうも全国津々浦々にかな地名が広がっていくのはもう耐えられない。地理マニアの視点から言わせてもらうと、地名ってのは簡単に読めない難読地名もたまにあるから面白いので、何でもかんでもひらがなにされたらツマラナイことこの上ないのだ。
「南アルプス」「中央アルプス」ときたので、次は「北アルプス」も出てくるんじゃないかと危惧する。長野県の大町市あたりが名乗りそうで怪しい。でも、調べてみたらそこは「北アルプス」の候補を退けて従来の「大町」をそのまま採用していた。
偉いぞ大町市!
ちなみに、合併は来年の元旦なんだそうだ。「北アルプス」は公募では1位だったらしいが、民意に逆らってよく退けた。感動した! こういうときは民意に逆らってみるのもまた一興だね。
自治の行方:合併後の新市名、「中央アルプス市」に−−3市町村法定協 /長野(毎日)
「都道府県市区町村」より、長野県の合併情報
「都道府県市区町村」…各自治体の概要や合併情報を調べるのにたいへん便利なサイトです。