2006年07月26日

昭和天皇が望まれた「恒久平和」とは

 今日の「報道ステーション」のラテに

「スクープ・昭和天皇が戦争放棄を最初に宣言 それは歴史的なマッカーサー会談の2日前…未発表の宮内庁資料を新たに発見」

とあったので見てみた。

 昭和天皇がアメリカ人記者の質問への回答として述べられた「銃剣によって、または他の兵器の使用によって恒久平和が確立されるとは思わない」というお言葉が、憲法9条のベースになったというのがテレ朝の主張のようだが、私はこのお言葉自体は世界平和に向けておっしゃられたのではないかと思う。「恒久平和」とは何も日本一国のことではなく、世界全体を指していると思うのだ。「日本だけが武器を棄てます」という宣言だとは思えない。

 昭和天皇は、世界から全ての武器がなくなることを願ってらしたのだろう。もちろん私だって、それが実現するのならそれにこしたことはないと思っている。だけど残念ながら、世界は昭和天皇の理想を満たすほど進歩できていない。特に日本の場合、すぐ隣に中国と北朝鮮という非民主国家がいるわけで、武器を簡単に棄てるわけにはいかないのである。60年という歳月をもってもこの状況から抜け出せなかったことについては、陛下に対して申し訳なく思うくらいだ。

 昭和天皇が平和を希求されていたことが分かったことは、実に有難いことである。しかし、現憲法がGHQによって作られた事実が変わるわけではないし、現憲法が改正を禁止していない以上、改憲はタブーではない。私は積極改憲派ではなくて改憲容認派であるが、このスクープをもって護憲派が勢いづくことは恐らくないと思われる。

昭和天皇が海外記者と会見 宮内庁で文書控え見つかる(朝日)
posted by atsu at 22:47| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | ニュース−政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
このニュース、朝日のサイトで見つけたのはいいんですけど、どの辺りが大騒ぎする事なのかよくわからないです。
昭和天皇が戦争を始める以前から開戦したくなかった(だろう)というのは、少し本を読めば周知のことですし、戦後も同様。

誰だって戦争はしたくないんです。
・戦争をしたくないこと
・戦争をしないこと
・戦争を覚悟をしなければいけないこと
・やむを得ず開戦してしまうこと
これらは厳密に峻別されることではないかと思います。一緒くたに議論するのは、乱暴だと思います。
Posted by 佐倉純 at 2006年07月26日 23:11
>佐倉さま

昭和天皇は軍国主義の権化だと思っていて、全ての戦争は天皇陛下が始めろと命じたと思っているような人にとっては、天皇陛下が平和を望んでいたなんてことが驚きなんじゃないですかね。

私も正直報ステを見て、「これのどこがスクープなんだろう…?」と思いました。
昭和天皇のお人柄を考えれば、戦争で国民を苦しめてしまったことに心を痛められ、平和を希求されるのは当然のことだと思います。
Posted by atsu at 2006年07月26日 23:31
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