私説・論説室から 靖国参拝と台湾人(東京新聞)
「イヌ(犬)が人に噛みついてもニュースじゃない。人が犬に噛みついたら、これはニュースだよ」。新聞記者になりたてのころ誰もが聞く話だ。小泉純一郎首相の靖国神社参拝反対のデモ騒ぎでこの話を思い出した。
デモの中には遺族と称する台湾人もいた。一人は戦死した先住民遺族。もう一人は外省人(戦後、中国から台湾に渡った中国人)と先住民を父母にもつ元女優の立法委員(国会議員)で、遺族ではないが、先住民の民族衣装なので格好の被写体になっていた。
テレビ画面には彼女の姿が大写しになり、ニュースは「台湾人の遺族も分祀を求め、参拝反対を叫んでいる」と伝えていた。中国、韓国、そして台湾も反対! そう誤解してしまう。
だが、この二人は「犬に噛みつく人」だ。日本の植民地だった台湾では多くの台湾人が戦地に赴いた。時代の風潮に逆らえず出征した人も少しはいただろうが、多くは名誉と思い、光栄と感じていたと現地で聞いた。その結果、数万人が命を落とし、靖国神社には李登輝前総統の実兄を含む約二万八千柱が祀られている。
靖国神社にはその遺族や戦友たちが参拝に訪れており、毎年八月十五日にわざわざ台湾から訪日し、参拝を続けるグループもある。台湾で犬に噛みつくのはたった二人。立法委員は台湾国内での票目当てのパフォーマンスだ。それなのに「台湾人の遺族も反対」とは大きなミスリードだ。
犬に噛みつく人を追うのがマスコミの宿命ではあるが、ミスリードはマスコミ不信を拡大する。絶えず真実に近づく努力が必要だ。自戒したい。(迫田勝敏)
え? これが東京新聞のコラム?? と言いたくなるほど素晴らしい記事である。迫田記者は、なぜ東京新聞を含むサヨクマスコミが批判されるのかうすうす分かっているようだ。
何度も書くが、件の立法委員とは高金素梅のこと。できれば実名も報じてくれれば、彼女の素性を知らないであろう東京新聞読者には親切だったろう。その点だけ惜しいが、台湾の多くは靖国参拝に反対していないことをしっかり書いたことは評価に値する。
ところで、19日のエントリで紹介した韓国KBSテレビの動画を、「今日の韓流通信」さんで発見したのでリンクを張っておく。中国語と韓国語が分からないのが残念だが、高金素梅が出演しているので必見だ。
KBS 東条さんの対談
ワタシも韓国語はわかりません(かと言って中国語も少しだけ)が、高金素梅の言い分は、
最初の発言:靖国神社の大鳥居の木材が台湾から奪われたもである事
二回目の発言:資料を持ち出して、日本軍が殺した中国人の数とかを延々と発言
のようです。
今mixiで自分の周りで、初心者が高金素梅って何者?みたいなネタで盛り上がっています。
自分もブログなんてやらなかったら、絶対知らずに済んだ名前だったのになー。
ありがとうございます。
実は、このエントリを書いたあとで、全訳を載せてくれているブログを発見しました。
以下にURLを張っておきます。
ttp://d.hatena.ne.jp/boutarou/20060823/1156298373
ネットって便利ですね。
>佐倉さま
はい、梅ちゃんで間違いないですよー。
知らない人には、台湾人の恥・高金素梅について教えてあげてください。
昔は外省人として暮らしていたのに、選挙に出るにあたって当選しやすい先住民枠から立候補するために先住民に化けた経歴とかを。
て言っちゃいけませんね、中の人もたくさんいるわけですし、客観的な視点から抗菌素梅の立場を明らかにする記者がいることに一筋の希望の光を見出しました。
ズバリこの記事のことですな。
ま、たまにはマトモな人もいないと、会社として立ち行かなくなるでしょう。
しかしこの記事、いつまで経っても東京新聞のHPのほうにアップされません。
だから、ブログで扱っているのはウチくらいのものなんですよね。
>haruhicoさま
まさにその通りですね。このコラムが載ったのが産経だったなら、私は別に取り上げていないワケで。
これは何を意味するのでしょうか・・・。
http://www.tokyo-np.co.jp/ronsetu/
本当ですね…。
東京新聞はこの記事をみんなに読ませたくないんでしょうか?
読める状態になったらリンクを張りたいんですけどね。