2005年07月15日

本は棄てちゃダメ!

 船橋市立図書館における焚書事件の最高裁判断は、実に有意義なものと言える。仮にも市民の税金で買った図書を、司書のより好みで勝手に棄てるなんてことは市民にとっても著者にとっても不利益なことだと認めてくれたことはよい判断だ。ま、この判断に異論のある人間はまずいないことだろう。

 この件については朝日と産経が社説に書いていたが、立場こそ違えどどちらもほぼ同じ主張である。さすがの朝日でも

 この裁判をおこした「つくる会」の教科書について、朝日新聞は社説で「近現代史を日本に都合よく見ようとする歴史観で貫かれ、教室で使うにはふさわしくない」と主張してきた。だからといって、会の関係者らの著作が図書館から消えていいとは思わない


と述べるくらいである。ホントは消えればいいと思ってるだろうが、思っていても実際に口に出したりしないのがエチケットというものだ。その点は朝日でもわきまえていることである。

 私だって、「こんなふざけた本を書きやがって!」と思うことは多々ある。でも、基本的に書籍には敬意を払っているので、棄てるという行為はどうしてもできない。いくら気に食わない本でも、その本を作るのにかかわった人たちの苦労や、本に使われている材料である紙のことを考えると「MOTTAINAI!」っていう気持ちが働くのだ。だから、誰かがこの本を読んで怒りを覚えてくれればよいと、せいぜいブックオフに売り飛ばすくらいである。いくら頭に来ても、焼いたり破いたりというのは野蛮人のすることだ。

 本を勝手に棄てた女性司書はその後「自分でも何で棄てたのか分からない」としらばっくれていたようだが、本を愛すべき司書がそんな行為に走ったということは、何らかの理性が吹き飛んでいたとしか考えられないだろう。今後同じようなことをする輩はよもや現れないだろうが、全国の司書の方々はよりいっそう自覚を持ってお仕事に励んで頂きたい。

独断廃棄は著者の利益侵害 最高裁「図書館は意見伝える場」(産経)

特定著書の廃棄 再発防止指導へ 中山文科相(産経)

蔵書廃棄 自由の番人でいる重さ(朝日社説)

【主張】図書廃棄訴訟 多様な言論支える判決だ(産経社説)


posted by atsu at 23:37| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(1) | ニュース−社会 裁判 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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