2007年10月23日

バイトより経営者が重罪

3人死亡のカラオケ店火災、元店員に実刑判決(読売)

 兵庫県宝塚市で1月、客3人が死亡し5人が重軽傷を負ったカラオケ店「ビート」の火災で、業務上過失致死傷罪と業務上失火罪に問われた元アルバイト店員佐々木美津子被告(35)の判決が22日、神戸地裁であった。

 佐野哲生裁判長は「3人が16〜18歳という若さで死を遂げた無念さは筆舌に尽くしがたく、刑事責任は重い」として禁固1年6月(求刑・禁固3年)の実刑を言い渡した。

 弁護側は「消火器が使用不能だったため消せなかった」として、業務上過失致死傷罪については無罪を主張していたが、判決は「使用可能な消火器を設置していなかった同店経営者の過失はあるが、佐々木被告が加熱中のサラダ油を放置する過失がなければ火災は発生していない」と退けた。

 この火災では、元同店経営者、上江洲(かみえす)安一被告(53)も業務上過失致死傷罪に問われ、来月12日に論告求刑が行われる。

 判決によると、佐々木被告は1月20日午後6時15分ごろ、同店の調理場で、サラダ油を鍋で加熱。火災を防ぐ措置をしないまま調理場を離れて約15分後に発火させ、2階にいた田中真さん(当時18歳)ら3人を死亡させ、5人に重軽傷を負わせた。





 結果的に3人が死亡したという事実は重いですが、禁固刑とはいえ実刑判決は重いなぁと感じたのが正直な感想です。アルバイトがここまでの責任を被せられるのなら、経営者にはもっと重い刑が言い渡されないとちょっと納得できませんね。

 確かに、サラダ油を放置して火事を起こした被告の責任は免れないと思います。だけど火災当日の彼女は、たった一人で店を切り盛りしていたんですよね。それほど大規模なカラオケ店ではないとはいえ、さすがに一人で受付をして調理をして部屋に運んで…というのは酷すぎたと思います。それでは、忙しさにかまけて油を火にかけていることを忘れても致し方ない気がするんですよ。油を熱しているときに新しい客が来店すれば、応対をしなくてはならないんですからね。

 やはり、どうであれ最低2人は店員を常駐させるべきだと思います。どうしても人件費を抑制したいのならば、できるだけ経営者が店に詰めてないと駄目でしょう。土曜日の夕方という書き入れ時に、たった一人で店番させるというのがそもそも間違ってます。

 せめて、一人で店番しているときは揚げ物メニューを断るべきでした。それに、唐揚げやフライドポテトでも、レンジでチンするだけで食べられる冷凍食品もあるじゃないですか。どっちみち、たいして美味い食い物を出すわけじゃないんでしょうから、安全と省力化のためにそういうことも考えてほしかったですね。

 私としては、やはりアルバイト店員よりも経営者の罪のほうが遥かに大きいと思います。本来は逃げ道であるはずの窓を塞いだり、非常階段に施錠したり、消火器は腐っていたりと、経営者には防火管理意識が著しく欠けていたと思います。彼女が禁固1年半なら、経営者は5年くらいは食らわないと辻褄が合わない気がしますね。業務上失火罪がつかないぶん、法的には経営者のほうが罪が軽いのかもしれませんけど…。

【追記】

 他の方のブログを見て思い出しましたけど、この店の土地・建物の持ち主は宝塚市消防本部消防士長の義理の父親でしたね。こんな防火管理のなってない店を見逃していた宝塚市消防本部の過失も大きいと思います。早いうちに営業停止処分にでもしておけばよかったんですけどねぇ。
posted by atsu at 23:55| 東京 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | ニュース−社会 裁判 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 判決から、2週間すぎましたので、控訴してなければ、実刑確定ですか…。

 3人が死亡していますし、この女性アルバイトには賠償能力もないようですので、遺族感情を配慮したのでしょうか。実際、ご遺族の方は、実刑判決にも刑が短すぎると怒りを露にしていたらしいですし。しかし、店長兼経営者が大阪へ外出し、長時間一人勤務、しかも火災が発生した6時すぎは本来なら2人以上勤務している時間帯だったのが、経営者が店に戻るのが遅れたわけですし。休憩等で、1時間ほど、一人勤務になったのとは違いますしね…。それにこの店は経営者の方針で、食べ物にも凝っていて、レンジでの調理はしていなかったそうですし…。
 ただ、弁護側の他のアルバイトや元アルバイトの証人尋問は、提出された証拠書類だけで十分と却下されていますし、’一人勤務’自体を裁判官が重要視していなかったのかもしれません。もちろん、それ以上に3人死亡したという結果責任の方が重いと判断されたのかもしれませんが。

 某掲示板でも、議論がかなり分かれていましたが…。有識者とかの意見も聞いてみたい気がしますね。
 
Posted by ゆうき at 2007年11月06日 13:30
>ゆうきさま

まぁ、遺族感情は分かるんですけどね。
でも、ああいう勤務体系を続けていれば、遅かれ早かれ事故は起きたと思いますよ。
人の注意力ってのはどっかでプツッと切れる瞬間がありますからね。
Posted by atsu at 2007年11月07日 00:20
 同感です。それに一人しかいない時に、客が増えてくると、どうしても急ぎ目に業務をしないといけないと意識してしまいがちだし…、だから、火をつけたままその場を離れて別の作業をしたこともわかりますし…。また、業務上過失致死においては、避難誘導を怠ったことも非難されていますが、失火したら、パニクって、火を消すのに夢中になってしまうのも責められないと思うんですけど…。
 新聞報道は、求刑とか、判決、あるいは遺族のコメントを客観的に報道するだけですが…。ただ、被害者遺族の気持ちもよくわかりますが、「息子を放って逃げた」とか「反省の態度が全く見えない」という発言をそのままのせるのはどうなんでしょう?事実を詳細に書いて、その上で、しかし、息子を亡くした遺族にとっては、〜いう発言や感情になってしまう〜という書き方ならわかりますが…。
Posted by ゆうき at 2007年11月07日 19:46
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