本音のコラム 見たくないのココロ 鎌田慧(30日付東京新聞特報面より ネット上のソースなし)
ウソも百万遍いえば、ホントになるとかいわれている。九月二十九日の沖縄・宜野湾海浜公園でひらかれた、「教科書検定意見撤回を求める県民大会」の集会が、県内外から十一万人もあつめて、政府をあわてふためかせたが、早速、その人数にケチをつけ、検定を支持するひとたちがあらわれた。
月刊の『WiLL』は、右派ライターの屋内運動場のような雑誌だが、十二月号では、「集団自決」の特集を組んでいる。まず、渡部昇一さんが、沖縄の新聞を、型どおり「左翼メディアの巣窟」と決めつけたあと、「…朝日新聞で『十一万人の大集会』と報じられましたが、実際にテイケイ(株)の会長がプロジェクトチームを作り、写真を拡大して一人一人、塗りつぶしながら数えるという膨大な作業の結果、二万人にも満たないことが判明しました」と書いている。
単純な足し算もできないチームだったようだ。こんどは、藤岡信勝さんが、熊本大学生のグループの「マジックで潰して」の計算に依拠して、一万三千三十七人、と鬼の首を取ったようにはしゃいでいる。あとふたりの筆者も、一万三千人、二万人と書いて臆面もない。
各紙がヘリコプターから撮影した当日の写真をみても、一万とか二万にしかみえない。事実を認めようとしない。見たくない人には、見えないのかもしれないが、物書きとしての責任があるでしょう。(ルポライター)
>ウソも百万遍いえば、ホントになるとかいわれている。
いや、まったく鎌田先生のおっしゃる通りですね。ホントにそれは正しいと思います。さすが、これまでにウソを百万遍も一千万遍も言って、南京大虐殺とか従軍慰安婦とかをホントにしちゃった左派の人が言うと説得力がありますわ。先生は、自己の経験に基いておっしゃってるんですよね? いやぁ、肝に銘じたいです。
右派勢力の弱いところはそこなんですよね。だけど、真実はひとつしかありませんが、ウソはいくつでも捏造できるから、やはり量的にいうと不利なワケですよ。だけどまあ、これからも諦めずに右派ライターがやるべきことは「真実を百万遍言ってこれまで真実とされてきたウソを暴くこと」でしょう。左派の方々を反面教師にして、今後も励んでいきたいと思います!
ていうか、私はこのコラムを読んで、「この人頭大丈夫?」と思いました。前からこの人は「死刑を廃止しない日本は低人権国」とか、ワケの分からないことばかり言っているので嫌いでしたが、このコラムは特に酷すぎます。
だってあなた、集会参加者数の検証は琉球新報の一面に載った写真を使って行われたんですよ。それを数えたら現実に2万人くらいしかいなかったのに、「あの写真を見ても一万とか二万にしか見えないのはおかしい」との主張はおかしいです。むしろ、実数が2万人しかいないものを、11万人いると信じ込むほうが現実が見えていないと言わざるを得ません。だったらお前もひとつずつ塗りつぶして数えてみろと。
写真に写っていない部分にも人がいるかもしれないことを考慮し、なるべく多く見積もっても警察調べの4万人がせいぜいでしょう。11万人いるとなると、会場の中に2万人いて、外に9万人もいることになります。普通に考えたら、それはあり得ないことくらい分かるでしょう。
写真に写っている人の実数を突きつけられてなお、どうして11万人だと言い張れるのかを考えてみました。すると行き着いた答えは、かなり非科学的なものなんですけども、鎌田先生の目には行きたくても行くことができなかった人の生霊とか、集団自決で死んだ人の霊も見えているのではないかというものです。なるほどそれなら、我々の目には見えないけれどあの場に11万人、いや20万人、いやいや140万人の人々が集結していても何らおかしくないわけです。鎌田先生は、そうした人々の思いが見えないのはおかしいとおっしゃっているのですね。なるほど、確かにそれは我々軍命否定派には全く見えませんわ。そういうことで納得することにします。
さて、鎌田先生に「右派ライターの屋内運動場」呼ばわりされた「WiLL」(WiLLの連載陣には岡留安則や爆笑問題もいるのに、こいつらがいつ右派ライター認定されたんだ?)ですが、12月号は読みごたえ十分ですよ。特に私が目を見張ったのは、実際に集団自決が起こった渡嘉敷島で当時中隊長を務めていた皆本義博さんの記事です。
この記事の中には、鎌田先生のような人が絶対に認めたくないであろう「真実」がふたつ書いてあります。
ひとつは、先の県民大会に、当の渡嘉敷島から誰も参加していなかったという真実です。
そりゃそうですよ。渡嘉敷島では、自決命令を出したとされる赤松大尉が自分たちの要請を受けて命令を出したことにしてくれたことを知っています。渡嘉敷島ではもはや、軍命などなかったことが明らかなわけです。従って、ウソで塗り固めたあんなプロパガンダ集会に行く人がいるわけがありません。
もうひとつは、今でも皆本さんらが慰霊のために渡嘉敷島を訪れると、島民に大歓迎を受けているという真実です。
どこの世界に、自分たちを死に追いやった人間を喜んで迎える人々がいましょうや。皆本さんも「もし集団自決が軍の命令で、住民の方々が軍を怨んでいるのならば、こんな歓迎を受けるはずもありません」と言っています。確かにそのとおりだと思います。
まあいずれの「真実」も、サヨクはどうせ否定すると思います。そもそも彼らは、旧軍人の言うことなど信じないでしょうから。でもこれが、いちばん初めに、もっとも悲惨な集団自決が起こった渡嘉敷島における真実です。過去に赤松大尉が慰霊に渡嘉敷島を訪れた際も、島は受け入れる予定だったのに、沖縄本島で猛烈な反発を受けて結局島には渡れませんでした。当時はまだ渡嘉敷島の人も本当のことを告白していませんでしたけど、本当のことを分かっているから赤松大尉を招いたのだと思います。なのに、本島のサヨクがそれを阻んだわけです。赤松大尉はよく耐えたなと思いますね。それも、渡嘉敷島民のことを思ってのことだったわけです。終戦時、赤松大尉は今の私よりも年下の25歳でしたが、まさに軍人の鑑と言っていいでしょう。
赤松大尉は昭和25年に発刊された「鉄の暴風」以来、まるで悪の権化のように蔑まれてきました。面識もない大江健三郎には、「あまりにも巨きい罪の巨魁」とまで言われました。それでも決して自分の口からは真実を語らず、墓場まで持っていかれたわけです。私が赤松大尉の立場だったら、すぐにベラベラと本当のことを喋って楽になろうと考えるでしょう。だけどそれを言ったら、島民が遺族年金のためにウソをついていることがばれてしまうので、赤松大尉は固く口を閉ざしました。近年、良心の呵責に耐えかねた渡嘉敷村の元職員が本島のことを話しましたが、それでもなお赤松大尉が命令を出したと信じるサヨクには閉口します。
鎌田先生のようなバリバリのサヨクにはもう何を言ってもムダでしょうが、「軍の命令はやっぱりあったんじゃないかなぁ」くらいに漠然と考えている人には、次のように問いかけたいです。
「鉄の暴風」のみを根拠に渡嘉敷島に一度も足を踏み入れないで「軍による自決命令はあった」と主張する大江健三郎と、実際に渡嘉敷島に行って集団自決の遺族を丹念に取材した上で「軍による自決命令を裏付けるものは何も見つからなかった」という曽野綾子さんと、どちらの信憑性が高いと思いますか?
と。私は、足を使った丹念な取材に勝るものはないと思います。
関連エントリ:今、一番行きたくない都道府県は沖縄です(24日)
【追記】
WiLLの皆本さんの記事のもとになったチャンネル桜の番組を見つけたので張っておきます。ごうぞご覧あれ。
1日前にも凄い記事があったのでTBしておきます。
そのほかにもツッコミどころ多すぎ。
なるほど。
でも、警察発表自体も多めに見積もっている可能性がありますからね。
沖縄の警察は今もビビッて、警察発表の数字を公表しないくらいですから、95年の数字にも色をつけた可能性は捨て切れません。
dodoさんは11万人説を信じてらっしゃるんですか?
それならお願いがあるんですけど、11万人説の根拠を主催者発表以外で私に教えて頂けないでしょうか。
例えば、陸上交通が自動車しかない沖縄において、11万人を輸送するのにバスが何台使われたのかとか、自家用車で来た人は11万人のうちどれだけいて、駐車場はどれくらいの収容台数があったのかとか。
沖縄にある観光バスの台数なども参考として教えていただければ幸いです。
なお、先日富士スピードウェイで行われたF1日本GPの決勝日には、14万人の観客を輸送するのにのべ3000台のバスが使われました。今回の集会ではあちこちから参加者が集まったそうですが、バスはどのような輸送体系を取っていたのでしょうか。単純計算だと、50人乗りのバスで2200台は必要なことになりますね。富士の場合はピストン輸送なので実際には3000台ではなく3000便ということですが、県民集会の場合はどこかと会場をピストン輸送することは可能だったのでしょうか?ピストン輸送ではなかったとすると、2200台のバスを停める場所も必要となります。
この辺り、是非詳しく教えて下さい。
私もね、11万人が真実であるならば認めますよ。
でも今は、11万人説を信じるに足る客観的根拠があまりにも乏しいため、とても信じられないわけであります。
今のところ私は、客観的根拠は琉球新報見開きの写真の実数しかないと思っております。
この数字を突きつけられてなお、11万人説を主張する人が誰も再検証しようとしないのはおかしいです。dodoさんが独自に数えてもいいと思いますよ。
どうか、私にギャフンと言わせて下さいよ。