2007年12月12日

妥当な量刑です

元カラオケ店長に禁固4年判決 宝塚の8人死傷火災(朝日)

 兵庫県宝塚市のカラオケ店で今年1月、客3人が死亡、5人が重軽傷を負った火災で、業務上過失致死傷罪に問われた元同店経営者兼店長、上江洲安一(かみえす・やすかず)被告(53)の判決が12日、神戸地裁であった。佐野哲生裁判長は「経営者として防火意識に乏しく、ずさんな態勢を取っていた。責任は非常に重い」として、求刑通り禁固4年の実刑を言い渡した。弁護側は当初、無罪を主張していたが、過失責任をほぼ認めて寛大な判決を求めており、控訴する方針。

 判決によると、上江洲被告は89年12月から、宝塚市に無届けでカラオケ店「ビート」(閉店)を経営。避難器具の設置など消防法に定められた措置を講じなかったほか、使用済みの消火器の交換も怠った。1月20日午後6時半ごろ、元アルバイト店員の女性(36)=同罪などで禁固1年6カ月が確定=が、調理場でサラダ油を入れた中華鍋を加熱したまま放置したため出火。逃げ遅れた16〜18歳の客3人を一酸化炭素中毒で死亡させ、5人に重軽傷を負わせた。

 判決は、上江洲被告が自らの発案で2階の窓をふさぐなど、危険な増改築を重ねたと指摘し、「被告人自身の行為が失火と死傷者の出た結果の要因になっている」と結論付けた。

 弁護側は、宝塚市消防本部が同店に対して一度も防火設備などの査察を実施していなかった点について言及し、「被告人の過失は認めるが、その程度は少ない」と主張。これに対し、判決は「カラオケ店の届け出をしなかったために消防署が査察の対象にしていなかった」と述べた。





 10月23日のエントリで、私は「彼女(バイト店員)が禁固1年半なら、経営者は5年くらいは食らわないと辻褄が合わない気がします」と書きましたが、だいたい妥当な刑が下ったようです。

 やはり、経営者の責任はバイトよりも遥かに大きくなければなりません。確かに火事を出したのはバイトですけど、バイトは店の防火管理体制について意見を言う立場にありませんから、客が逃げられなかった責任まではなかなか負えないと思います。バイトが避難誘導を怠ったとも言われていますが、そもそも防火訓練も何も受けていないわけですから、パニックになって我が身を守るので精一杯になるのは当然のことです。となると、やはり問われるのは経営者の責任ですよね。

 ただし、裁判官が言った「カラオケ店の届け出をしなかったために消防署が査察の対象にしていなかった」という部分は再考の余地があると思います。届け出をしなかったのは経営者だから、やはり経営者が悪いことに違いはありませんが、宝塚消防署の面々もこのカラオケ店をしばしば利用していた点を見逃すべきではありません。また、このカラオケ店の土地・建物の持ち主が、宝塚市消防本部消防士長の義理の父親だということも。それによって経営者の量刑は軽くならないと思いますが、消防署がきっちり把握していれば防げた火事ではないかと思います。

 先日、浦和のドン・キホーテの火災に関して、犠牲者遺族がさいたま市消防本部を訴えました。この件も、もしかしたら宝塚市消防本部が訴えられるような展開になるかもしれないですね。


posted by atsu at 23:46| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース−社会 裁判 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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