「希望の灯り」宮城に 岩手・宮城内陸地震から1年(朝日)
死者15人、行方不明者8人を出した岩手・宮城内陸地震の発生から14日で1年。被害が集中した宮城県栗原市の花山、栗駒両地区では13日夜、犠牲者を追悼するため、阪神大震災の「1・17希望の灯(あか)り」から分灯したキャンドルセレモニーが行われた。
「希望の灯り」は阪神大震災の犠牲者を慰霊するために神戸市の公園でともし続けており、この日、同地から空路で運ばれた。花山地区では、穴をあけた1400個以上の空き缶に住民がろうそくを立て、次々に灯りをともした。浮かび上がったのは、支援に感謝した「ありがとう この1年」という文字。黙祷(もくとう)し、犠牲者の冥福と地域の復興を祈った。
同地区の白糸の滝付近では9日、仙台市の夫婦2人が遺体で見つかった。耕英地区では旅館「駒の湯温泉」跡地で不明者2人の捜索が続いている。地震直後に出された避難指示・勧告は栗原市の21世帯を除いてほぼ解除されたが、今も約160人が仮設住宅での生活を続けている。
もう一年経過ですか、早いものです。あの日私は、同日に開業した東京メトロ副都心線の取材をしていました。そこに弟から宮城で大地震発生の連絡を受けたのですが、すぐに母親と連絡が取れたのでたいしたことはないだろうと取材を続行しました。帰ってニュースを見てから、事態の重大さに驚きましたね。宮城県はこの10年間に何度も大きな地震がありましたが、これほど激しいのはありませんでしたから。
こないだ、行方不明だったご夫婦がやっと発見されましたが、大規模な山体崩壊に巻き込まれたであろう人々は恐らく捜索もされないと思います。駒の湯旅館の行方不明者も場所が特定されているにもかかわらずなかなか見つからないし、本当に気の毒です。
そしてやはりこの地震で私が最もショックだったのは、鉄道博物館学芸員だった岸由一郎氏が亡くなったこと。彼は鉄道が好きで好きで鉄道研究の職に就いた方ですが、それってやはり憧れなんですよね。せっかく素晴らしいお仕事をしていたのに、あんな地震で命を落とすなんてあまりにも可哀想です。
岸さんをはじめ、あの日に亡くなられた方々のご冥福を改めてお祈り致します。